セレブ御用達のテキーラはアガベベースのクラフトスピリッツを有名にしたかもしれません。しかし、どうすればもっと通のような飲み方ができるのでしょう？こちらにご紹介します。

ジョージ・クルーニーが支援するカーサミーゴステキーラや、「ブレイキング・バッド」の共演者であるアーロン・ポールとブライアン・クランストンが立ち上げたドス オンンブレス メスカルといったブランドは、アガベスピリッツといえば誰もが知る存在となっています。しかし、プレミアムテキーラやメスカルを選ぶ場合、いくつかの要素が品質、純度、風味、ひいては価格や入手可能性を左右します。職人技が光るアガベスピリッツの世界をさらに堪能したいとお考えのお客様に向けて、ここにいくつかのヒントをご紹介します。

ハート オブ スピリッツ

テキーラとメスカルはどちらも、ピニャとして知られるアガベ（植物のリュウゼツラン）の中心部からつくられるため、使用されるアガベの品種がスピリッツの独特な風味や特徴に強く影響します。アガベには栽培できるものもあれば、野生で収穫しなければならないものもあります。希少であればあるほど、そのスピリッツは希少であり、入手困難になります。

例えば、テキーラは、ブルーウェーバーアガベのみを使用しており、一般的に甘く土のような風味があります。一方、メスカルは40種類以上のアガベの中から1種類選んでつくられます。最も一般的なのはエスパディンで、これがメスカルの特徴である甘さと、マイルドでスモーキーなフレーバーをもたらします。また、ハーブのような香りのする白亜のマドレキュイシェ、より酸味が強くスパイシーなテペズタテ、土の香りとフルーティーな香りを持つトバラなど、数え切れないほどの種類があります。トバラは栽培することができず、鳥やコウモリなどの野生動物に頼って育つことから、「探検家アガベ」とも呼ばれています。

おすすめの1品：ドベルのグランデマエストロスは、メスカル樽で熟成させた高級テキーラ。味覚を邪魔することなく、メスカルに似たスモーキーなニュアンスを感じさせます。超限定版はメキシコ人アーティスト、フランシスコ・トレドによるファインアートをボトルデザインに採用しており、世界に18本しか存在しません。

産地の誇り

ワインのテロワールと同様、アガベスピリッツの地理的産地も風味に影響します。土壌のタイプに標高、そして製造中にピニャの発酵に使用される環境酵母は言うまでもありません。これらの要素は、スピリッツの最終的な味に大きな影響を与える可能性があります。アガベは、（ハリスコ州の高地でつくられるテキーラのように、）標高が高い場所でよりゆっくり成長した場合、一般的に、より複雑な風味を生み出すことがわかっています。 一方、標高の低いところでは、草や土の香りが強くなります。さらに、メスカルはメキシコ全土の9つの州で生産できるため（対して、テキーラはわずか5州）、フレーバーの多様性に富んでいます。

おすすめの1品：グランド マヤン シングル バレル ウルトラ エイジド テキーラは、10年の歳月をかけてつくられます。メキシコ、ハリスコ州のアガベ畑で、収穫前に5～7年間栽培されたブルーウェーバーアガベ100%が原料です。その後、アメリカンオーク樽で4年から5年寝かされます。

よく働き、よく遊ぶ

テキーラとメスカルは製造方法が異なるため、風味が大きく異なります。テキーラの場合、熟成が重要な要素であり、古ければ古いほど、その品質は一般的に高くなります。最高の飲み心地を味わいたい方は、オーク樽で最長3年熟成させたテキーラ、「アネホ」を探しましょう。

メスカルの場合、熟成はそれほど重要ではありませんが、慎重に保存され、手間のかかる伝統的な製法でつくられることで、独特の風味が生まれます。例えば、「メスカルアンセストラル」という規制カテゴリーでは、生産者は木製のタンク、くり抜いた石、まきの火にかけた土鍋といった伝統的な容器しか使用できません。

おすすめの1品：カサノブレのテキーラマルケスは、12種類のエクストラアネホと9種類のアネホを組み合わせ、特注のフレンチオーク樽で1年から5年熟成させることで、驚くほどリッチな風味を生み出しています。

ユニークな製造方法、テロワール、使用されるアガベの希少性などによって、特定のテキーラやメスカルが高値で取引され、よりプレミアムな地位を獲得するのも不思議ではありません。しかし最終的には、自分の味覚を信じることです。じっくりと時間をかけて研究し、機会あるごとに味わい、探求をお楽しみください。

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